力士名に使われていない色
相撲の興行で使用されているのぼりは、一定のルールに基づいて製作されています。
知っていなければわかりにくいことですが、こうしたルールを知ってから興行のぼりを見てみれば
実際にルールに基づいて作られていることがわかります。
このような興行のぼりに関するルールの一つが、のぼりに書かれている力士の名前です。
横綱や大関などさまざまな人気力士の名前がのぼりの上にかかれていますが、
こうした名前に使用されている文字にはある共通点があります。
それは、特定の色を使用しないようにして、力士の名前が書かれていることです。
どの関取の名前にも使用されていないのは、黒い色の文字です。
力士名に「黒」は使用しないのは、昔から守られているルールです。
数ある色の中でも力士の名前を書く時に黒い色の文字が避けられているのは、
黒が関取にとって重要な意味を持っているからです。
相撲の世界では勝負に勝つことを白星と言っていて、その反対に勝負に負けることを黒星と呼んでいます。
相撲の興行のぼりを作る時に力士の名前に黒い色が使われていないのは、黒がこの黒星を連想させる色だからです。
関取にとって縁起の悪い勝負に負けることを意味している色であるために、のぼりには他の色を使用して名前を書いています。
スポンサー名に使われていない色
相撲の興行を開催する時に使用されている興行のぼりは、力士名の表記以外にも守らなければいけないことがあります。
興行のぼりには関取の名前以外のものも書き入れられることがありますが、
こうした力士名以外の記載される文字にも守らなければいけない決まり事があります。
力士名以外で興行のぼりを作る時に守る必要がある規則の代表的なものは、
興行を金銭面で支えてくれるスポンサーに関するルールです。
のぼりの中央には関取の名前が大きな文字で書かれ、その下の部分にスポンサーの名前などが書かれます。
スポンサーなどの名称をのぼりに書く時に従う必要がある規則は、そのスポンサー名に「赤」は使用しないというルールです。
このような決まり事を守りながらのぼりを製作していることにも、力士名に黒を使わないことと同じように、大きな意味があります。
のぼりにスポンサーの名前を書き入れる時に赤い文字を使用しているのは、その企業やお店などが赤字にならないようにするためです。
会社の収入がマイナスになることを赤字と呼んでいますが、企業を経営している人にとって
赤い色は非常に縁起が悪いために、別のカラーの文字が代わりに使われています。